top of page

反り腰より巻き肩を先に改善した方がよいケース|理学療法士が解説

反り腰より巻き肩を先に整えるケースを理学療法士が解説する画像

巻き肩と反り腰の両方が気になるとき、どちらから整えるべきか迷う方は少なくありません。鏡を見ると腰が反り、肩も前に入っている。そんなとき「まず骨盤を立てて、腹筋を鍛えよう」と考える方は多いかもしれません。しかし、デスクワークなど生活上の条件によっては、反り腰より巻き肩や胸郭の動きを先に見た方が、全身を整えやすいケースがあります。



巻き肩を先に考えるケース|30秒でわかる結論

反り腰と巻き肩が同時にある場合、デスクワークで上半身が固まり、腕を上げにくく、胸郭が広がりにくい方は、巻き肩・胸郭から整えると腰の過剰な反りが減ることがあります。ただし、これは全員に当てはまる順番ではありません。腰や脚の症状、股関節の動き、呼吸、仕事内容まで評価して優先順位を決めます。



「巻き肩を先に」は全員に当てはまらない

反り腰は見た目を表す言葉であり、必ずしも腰椎のカーブが医学的に過剰とは限りません。また、巻き肩があるから腰が反る、腰が反るから巻き肩になる、と単純な因果関係を決めることもできません。

この記事では、Medical Physio Lab.が評価の中で「上半身から進めた方が変化を作りやすい」と考える代表的なケースを紹介します。



なぜ上半身から見ることがあるのか

人は仕事や社会生活のために、パソコン画面を見続け、手を机の前に置き、同じ姿勢を長時間保ちます。目線、首、腕の位置は環境に合わせる必要があるため、単に「良い姿勢にしましょう」と言われても変えにくい部分です。

その状態で身体をまっすぐ起こそうとすると、動きにくい胸郭の代わりに腰を反らして高さを作ることがあります。このような方では、腰だけを丸めたり腹筋だけを鍛えたりするより、胸郭と肩甲骨が動ける余地を作ることが先になる場合があります。



胸郭と肩甲骨が動かないと、腰で伸びやすい

胸椎の姿勢は、肩を上げる範囲や肩甲骨の動きに影響します。背中が丸まり、肩甲骨が前へ傾いた状態では、腕を上げるために腰を反る代償が起こりやすくなります。

例えば、バンザイをしたときに肋骨が前へ開き、腰の反りが強くなる方は、腰そのものだけでなく、胸郭の伸展や肩甲骨の上方回旋を確認する価値があります。



呼吸も優先順位を決める材料

胸郭は姿勢を支えるだけでなく、呼吸で動く場所でもあります。胸の前だけが持ち上がり、背中や脇の肋骨が広がりにくいと、息を吸うたびに首や腰へ余計な力が入りやすくなります。

呼吸については、「腹式呼吸が正解とは限らない。胸式呼吸との違い」でも詳しく解説しています。



巻き肩・胸郭を先に考えやすい5つのチェック

  • デスクワークやスマートフォンの時間が長い

  • 腕を上げると腰が反り、肋骨が前へ浮く

  • 壁に背をつけると、無理に腰を押し付けないと後頭部がつかない

  • 深呼吸で胸の前は動くが、背中や脇が広がりにくい

  • 首・肩・背中のこりが強く、姿勢を正すほど腰が疲れる

複数当てはまる場合は、骨盤の位置を固定する前に、胸郭と肩甲骨が動ける状態を作ると変化が出やすい可能性があります。自己判定だけで病名や原因を決めるものではありません。



反り腰・下半身を先に見るケース

次のような場合は、巻き肩から始めるとは限りません。

  • 腰から脚に強い痛みやしびれがある

  • 股関節を伸ばしにくく、歩行や立位で腰痛が強くなる

  • 片脚立ちやしゃがみで骨盤・下肢の不安定性が大きい

  • 妊娠・産後、術後、骨粗しょう症など個別の配慮が必要

  • 急な強い痛みや筋力低下など、医療機関での確認が必要

痛みや安全性に関わる問題があれば、その確認が最優先です。見た目の姿勢だけで順番を決めないことが大切です。



自宅で試せる簡単な比較

痛みがない範囲で、まず自然に立って腕を上げ、腰の反りや肋骨の動きを確認します。次に、椅子へ座り、背中の中央に丸めたタオルを軽く当てて、胸を張りすぎずに数回ゆっくり呼吸します。その後もう一度腕を上げ、動きや腰の負担が変わるか比べます。

上半身を整えた直後に腕が上がりやすくなり、腰の反りが減るなら、胸郭が優先課題の一つである可能性があります。痛みが出る場合は中止してください。



Medical Physio Lab.での評価順

当店では「巻き肩を直す」「骨盤を戻す」と部分だけを固定せず、まず困っている動作を確認します。そのうえで、呼吸、胸郭、肩甲骨、腰部、骨盤、股関節、足部を比較し、どこへ働きかけると全身の動きが変わるかを見ます。

優先順位は、変化の大きさだけでなく、本人が仕事や生活で続けられるか、安全に行えるかを含めて決めます。



よくある質問

巻き肩を改善すれば反り腰も必ず治りますか?

必ずではありません。胸郭の動きが腰の代償に関わっている場合は変化することがありますが、股関節、脚、体幹の筋力、生活習慣など別の要因も確認が必要です。



胸を張れば巻き肩は改善しますか?

胸を強く張ると、かえって肋骨が開き、腰の反りが強くなる方がいます。肩を後ろへ固定するより、胸郭が呼吸とともに動き、肩甲骨が自然に動けることを目指します。


腹筋トレーニングは不要ですか?

不要とは限りません。ただし、上半身が動かないまま腹筋だけを固めても、日常動作に使える姿勢にならないことがあります。評価した順番に沿って組み合わせることが大切です。



まとめ

反り腰と巻き肩がある方のうち、デスクワーク、腕を上げたときの腰の反り、胸郭の動きにくさ、浅い呼吸が目立つ場合は、巻き肩・胸郭から整えることが有効なケースがあります。大切なのは名称や見た目ではなく、動作を比較して本人に合う順番を見つけることです。

参考文献

執筆者

内田幹彦(理学療法士/Medical Physio Lab.)

春日市・春日原で、整体と運動を組み合わせ、一人ひとりの状態に合わせた身体づくりをサポートしています。

Medical Physio Lab.については公式サイトをご覧ください。

ご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療の代わりになるものではありません。症状が強い場合、長引く場合、急な悪化やしびれ・筋力低下などがある場合は、医療機関へご相談ください。

 
 
 

コメント


無料カウンセリングバナー
bottom of page