理学療法士が生理学と自身の減量経験から解説する「本当のダイエット」
- medicalphysiolab
- 7月15日
- 読了時間: 21分
この記事でわかること
ダイエットを始めると、「まずは糖質を減らそう」と考える方は少なくありません。
実際に糖質を減らすことで体重が落ちることもありますが、その一方で
「最初は痩せたのに途中から体重が落ちなくなった」
「筋肉まで落ちてしまった気がする」
「疲れやすくなった」
「リバウンドしてしまった」
という経験をした方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問に対して、生理学や栄養学の視点、そして私自身がBest Body Japan(BBJ)の減量で経験したことを交えながら、できるだけわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、次のことがわかります。
✔ 糖質を抜くほど痩せにくくなる理由
✔ 糖質が筋肉や脂肪燃焼に果たす役割
✔ 糖質と脂質、それぞれのエネルギー源としての特徴
✔ ダイエット中に必要な糖質量の目安
✔ 糖質制限から安全に戻す方法
✔ 「続けられるダイエット」が成功する理由
30秒でわかる結論
「糖質は太るからできるだけ食べない方がいい。」
そう思っている方は少なくありません。
しかし、糖質は単なるエネルギー源ではなく、筋肉を維持し、運動の質を高め、脂肪を効率よく燃焼させるためにも欠かせない栄養素です。
極端な糖質制限は、体重を一時的に減らすことはあっても、筋肉量や活動量の低下を招き、結果として痩せにくい身体につながることがあります。
大切なのは糖質を敵と考えることではありません。
糖質の役割を正しく理解し、自分の身体や生活に合った量を取り入れること。
それが、無理なく続けられ、リバウンドしにくいダイエットへの近道です。
Medical Physio Labでは大野城市・春日市を中心にダイエットに取り組む方をサポートしています。その中で感じたことなどよりリアルな内容でお伝えします。
はじめに
「糖質を食べると太る。」
ダイエットに関する相談を受けていると、本当によく耳にする言葉です。
実際、スーパーやコンビニには「糖質オフ」や「低糖質」と書かれた商品が数多く並び、SNSでも糖質制限をすすめる情報を目にする機会は少なくありません。
もちろん、糖質を減らすことで体重が落ちることはあります。
しかし、その体重減少が本当に脂肪だけが減った結果なのかを考えたことはあるでしょうか。
私は理学療法士として多くの方のダイエットをサポートしてきましたが、糖質を極端に減らしたことで、
「最初は順調だったのに途中から体重が落ちなくなった」
「筋肉が減って見た目がやつれた」
「運動をしても力が入らない」
という方を数多く見てきました。
そして、これはお客様だけの話ではありません。
私自身もBest Body Japanに出場した際、「糖質を減らした方が早く絞れる」と考え、実際に糖質を制限した時期がありました。
その結果、一時的には体重が落ちたものの、筋肉の張りは失われ、トレーニングの質も低下し、「痩せた」というより「しぼんだ」という感覚を強く覚えています。
その経験を通して改めて感じたのは、
ダイエットで大切なのは、「体重を落とすこと」ではなく、「筋肉をできるだけ維持しながら脂肪を落とすこと」だということです。
そのためには、糖質を敵と考えるのではなく、身体の中でどのような役割を担っているのかを知ることが欠かせません。
この記事では、糖質が身体の中でどのように使われ、なぜダイエット中にも重要なのかを、生理学や栄養学の知識だけでなく、私自身の経験も交えながらできるだけわかりやすくお伝えします。
もしこの記事を読み終えたときに、
「糖質は減らすものではなく、上手に付き合うものなんだ。」
そう感じてもらえたら嬉しく思います。
第2章 なぜ糖質を抜くと最初は体重が落ちるの?
「糖質を抜いたら3日で2kg痩せました!」
このような話を聞いたことはありませんか?
実際、糖質制限を始めると、最初の1〜2週間で体重が大きく減ることは珍しくありません。
そのため、
「やっぱり糖質は太るんだ!」
と思ってしまう方も多いでしょう。
しかし、この体重減少のすべてが脂肪ではありません。
実は、最初に減っているものの多くは身体に蓄えられていた「糖」と、それに結びついていた水分です。
身体は糖質を「貯金」している
私たちがご飯やパン、麺類などの糖質を食べると、消化・吸収されてブドウ糖になります。
ブドウ糖はすぐに使われるだけでなく、余った分はグリコーゲンという形に変えられ、主に筋肉と肝臓に蓄えられます。
イメージすると、
財布に入っている現金(血糖)
だけでは心もとないので、
銀行口座(筋肉・肝臓)に貯金しておく
ようなものです。
運動をしたり、食事の間隔が空いたりすると、この貯金が取り崩され、エネルギーとして使われます。
つまり、グリコーゲンは身体にとって非常に重要な「エネルギーの備蓄庫」なのです。
グリコーゲンは水とセットで蓄えられる
ここで知っておいていただきたいのが、グリコーゲンは水分と一緒に蓄えられるという特徴です。
一般的に、
グリコーゲン1gにつき約3gの水分が結びついている
といわれています。
例えば、筋肉や肝臓に約500gのグリコーゲンが蓄えられていた場合、それだけで約1.5kgもの水分を一緒に保持している計算になります。
つまり、糖質制限を始めると、
グリコーゲンが減る
一緒に保持していた水分も減る
という変化が起こります。
その結果、体重計の数字は短期間で1〜3kgほど減ることもあります。
だからといって「脂肪が1〜3kg減った」わけではない
ここで勘違いしやすいポイントがあります。
体重が2kg減ったからといって、
脂肪が2kg燃えた
わけではありません。
体脂肪を1kg減らすには、およそ7,000〜7,700kcal程度のエネルギー赤字が必要とされています。
もし数日で脂肪だけを2kg減らそうと思えば、14,000kcal以上の赤字が必要になります。
これは現実的には非常に難しい数字です。
つまり、糖質制限を始めてすぐに体重が落ちるのは、脂肪が一気に燃えたからではなく、グリコーゲンと水分が減った影響が大きいと考えられます。
水分が減ること自体は悪いことではありません
ここで一つ誤解してほしくないのは、
水分が減ること=悪い
というわけではないということです。
ボディビルなどの大会では、コンディションを整えるために一時的に体内の水分量を調整することもあります。
また、医療現場でも糖質制限が有効なケースはあります。
つまり、糖質制限そのものが悪いわけではありません。
大切なのは、
「最初に落ちた体重の正体」を正しく理解すること
です。
体重計だけでは、本当に痩せたかはわからない
ダイエットで本当に目指したいのは、
体重を減らすことではなく、体脂肪を減らし、筋肉をできるだけ維持することです。
そのためには、
体重
見た目
筋肉量
ウエスト
トレーニングの質
などを総合的に確認することが重要です。
体重計の数字だけを見て一喜一憂してしまうと、
「もっと糖質を減らそう」
「もっと食べる量を減らそう」
という悪循環に陥ってしまうことがあります。
第3章 糖質は身体の中でどんな働きをしているのか?
ここまで読んでいただいた方は、
「糖質を抜くと最初は水分が減ることが多い」
ということがお分かりいただけたと思います。
では、そもそも糖質は身体の中でどのような役割をしているのでしょうか。
「糖質=エネルギー」
という言葉はよく耳にしますが、それだけでは少し説明が足りません。
実は糖質は、身体を動かすだけでなく、筋肉を維持し、脳を働かせ、運動のパフォーマンスを支える重要な栄養素でもあります。
その流れを一緒に見ていきましょう。

① 糖質を食べる
ご飯やパン、麺類、果物などを食べると、身体の中で消化・吸収され、最終的にブドウ糖になります。
このブドウ糖が、身体にとって最も使いやすいエネルギー源です。
② ブドウ糖が血液に入る
吸収されたブドウ糖は血液の中に入り、全身へ運ばれます。
これが「血糖」と呼ばれるものです。
しかし、血液中にブドウ糖が増えすぎると身体に負担がかかるため、そのまま放置することはできません。
そこで活躍するのがインスリンです。
③ インスリンが筋肉や肝臓へ運ぶ
インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンです。
よく「太るホルモン」と言われることがありますが、それは少し誤解があります。
本来の役割は、
「血液中のブドウ糖を必要な場所へ届けること」
です。
つまり、宅配便の配達員のような存在です。
インスリンが働くことで、ブドウ糖は筋肉や肝臓へ運ばれていきます。
④ グリコーゲンとして貯蔵される
運ばれたブドウ糖は、そのままではなく、
グリコーゲン
という形に変えられます。
グリコーゲンとは、
「必要な時にすぐ使えるように保存された糖質」
のことです。
スマートフォンで例えるなら、
ブドウ糖が「充電中の電気」
グリコーゲンが「100%まで充電されたバッテリー」
のようなイメージです。
身体はいつでもエネルギーを使えるように、このグリコーゲンを筋肉や肝臓へ蓄えています。
⑤ 運動するとグリコーゲンが使われる
歩く
階段を上る
筋トレをする
ジョギングをする
スポーツをする
こうした動作をすると、まず使われるのが筋肉に蓄えられたグリコーゲンです。
特に筋トレやダッシュなど強い力を発揮する運動では、糖質が主なエネルギー源になります。
つまり、
「食べた糖質は運動のためのガソリンになる」
と言ってもいいでしょう。
そして運動後には、
減ったグリコーゲンを補充するために糖質を欲しくなるのも、ごく自然な身体の反応です。
身体はこのサイクルを毎日繰り返しています
糖質は、
食べて終わりではありません。
使われて
補充されて
また使われる。
このサイクルを毎日繰り返すことで、
私たちは仕事をしたり、
運動したり、
考えたり、
生活することができています。
糖質は身体を動かすための「燃料」であると同時に、
次の活動に備えるためのエネルギー貯蔵システムでもあるのです。
第4章 筋肉は身体最大の「糖質の貯蔵庫」
ここで一つ質問です。
身体の中で最も多く糖質を蓄えている場所はどこでしょうか?
「肝臓じゃないの?」
と思われる方も多いかもしれません。
実は、
筋肉です。
筋肉は巨大なエネルギータンク
一般的な成人では、
筋肉には約300〜500g、
肝臓には約80〜120g程度のグリコーゲンが蓄えられるとされています(個人差があります)。
つまり、
身体の中で最も大きな糖質の貯蔵庫は筋肉なのです。
筋肉量が多い人ほど、
この「エネルギータンク」も大きくなります。
反対に、
筋肉が減ると、
糖質を蓄える場所も小さくなってしまいます。
ダイエット中に筋肉を減らしたくない理由
筋肉が減ると、
見た目だけではなく、
身体の機能にも影響します。
例えば、
糖質を蓄えられる量が減るため、
一度にたくさん糖質を食べると、
筋肉へ取り込める量が少なくなります。
すると余ったエネルギーは、
身体の別の場所へ回されることになります。
つまり、
筋肉を維持することは、糖質を上手に利用できる身体を維持することでもあるのです。
耐糖能とは?
ここで覚えていただきたい言葉があります。
耐糖能(たいとうのう)です。
少し難しい言葉ですが、
簡単に言うと、
「糖質をどれだけ上手に処理できるか」という身体の能力です。
筋肉量が多く、
日頃から身体を動かしている人は、
糖質を筋肉へ取り込みやすくなります。
つまり、
耐糖能が高い状態です。
一方、
運動不足が続いたり、
筋肉量が減ったりすると、
糖質をうまく取り込めなくなり、
血糖値が上がりやすくなることがあります。
筋トレは「筋肉をつける」だけではない
筋トレというと、
「筋肉を大きくするため」
というイメージが強いかもしれません。
もちろんそれも大切です。
しかし、
実は筋トレにはもう一つ大きな役割があります。
それは、
糖質を処理しやすい身体を作ること。
筋トレをすると、
減ったグリコーゲンを補充しようとして、
筋肉は糖質を積極的に取り込むようになります。
だからこそ、
筋トレと糖質は相性がいいのです。
「糖質を食べるから筋トレする」のではなく、
「筋トレをしているからこそ、糖質を有効に使える身体になる」という見方もできます。
Medical Physio Labが考えるダイエット
私はダイエット指導をするとき、
「糖質を減らしましょう」
ではなく、
まず
「糖質を使える身体を作りましょう」
という考え方を大切にしています。
筋肉を維持し、
しっかり身体を動かし、
必要な糖質を摂る。
この3つがそろって初めて、
身体は効率よく糖質を利用し、
脂肪も燃えやすい状態になります。
だからこそ、
ダイエットは「食べない努力」ではなく、
「食べたものを上手に使える身体を育てること」が本質だと私は考えています。
第5章 糖質と脂質はどちらが優秀なエネルギー源なのか?
ここまで読むと、
「糖質が大切なのは分かったけれど、脂質でもエネルギーになるなら糖質は必要ないのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
確かに、糖質も脂質も身体を動かすためのエネルギー源です。
しかし、どちらか一方が優れているというわけではありません。
それぞれ得意な場面が違うのです。
糖質は「瞬発力」が得意
糖質は、ブドウ糖として素早くエネルギーを作り出せることが最大の特徴です。
例えば、
階段を駆け上がる
筋トレをする
ダッシュする
重い荷物を持ち上げる
スポーツで瞬時に動く
このような比較的強度の高い動きでは、糖質が主なエネルギー源になります。
つまり、糖質はハイブリッドカーのモーターのような存在です。
アクセルを踏んだ瞬間に、大きな力を発揮できます。
脂質は「持久力」が得意
一方で脂質は、
長時間のウォーキング
デスクワーク
睡眠中
軽い日常生活
など、比較的ゆっくりとした活動で多く使われます。
脂肪は大量に蓄えられるため、エネルギー切れを起こしにくいというメリットがあります。
言い換えれば、
脂質は長距離トラックのような存在です。
長く安定して走り続けることが得意ですが、急加速は苦手です。
「脂肪を燃やすためにも糖質が必要」
少し意外に思われるかもしれませんが、脂肪を効率よく利用するためにも糖質は必要です。
栄養学には「脂肪は糖の炎の中で燃える」という有名な言葉があります。
脂肪をエネルギーとして利用するには、糖質由来の代謝経路が必要になるため、糖質が極端に不足すると脂肪を効率よく利用しにくくなることがあります。
つまり、糖質は「脂肪燃焼の邪魔をする栄養素」ではなく、脂肪燃焼を支える役割も担っているのです。
糖質と脂質はライバルではなくパートナー
ダイエットでは、
「糖質を減らして脂質だけ使おう」
という考え方になりがちですが、
身体はそのように単純にはできていません。
糖質にも脂質にも役割があります。
大切なのは、
どちらかを悪者にするのではなく、両方を適切に利用することです。
糖質と脂質の違い
糖質 | 脂質 |
素早くエネルギーになる | ゆっくりエネルギーになる |
高強度運動で活躍 | 低〜中強度活動で活躍 |
筋肉・肝臓にグリコーゲンとして貯蔵 | 脂肪組織に蓄えられる |
脳や赤血球の重要なエネルギー源 | 長時間活動を支える |
すぐ使える燃料 | 大容量の燃料タンク |
第6章 糖質不足で身体に起こること
糖質を減らしすぎると、身体にはどのような変化が起こるのでしょうか。
「体重が減るから問題ない」と思われるかもしれませんが、実際には身体はさまざまなサインを出しています。
トレーニングの質が落ちる
糖質が不足すると、まず感じやすいのが「力が出ない」という変化です。
重量が上がらない
回数が減る
パンプアップしない
すぐ疲れる
これは筋肉のグリコーゲンが不足し、高強度の運動に必要なエネルギーを十分に供給できなくなるためです。
トレーニングの質が下がれば、筋肉を維持する刺激も弱くなります。
筋肉が減りやすくなる
糖質が不足した状態が続くと、身体は血糖値を維持するために糖を作り出そうとします。
その方法の一つが糖新生です。
糖新生では、アミノ酸などを材料にブドウ糖を作ります。
つまり、糖質不足が続くと、筋肉を構成するタンパク質も材料として使われる可能性があります。
もちろん身体にはさまざまな調節機構がありますが、極端な糖質制限やエネルギー不足が長く続くほど、筋肉を維持しにくくなるリスクは高まります。
活動量が減る
糖質不足は、
「運動するとき」
だけでなく、
日常生活にも影響します。
階段を避ける
歩くのが面倒になる
家事を後回しにする
休日はずっと横になる
本人は気付いていなくても、
活動量が少しずつ減っていくことがあります。
すると消費エネルギーも減り、
「食べていないのに痩せない」
という状態になりやすくなります。
ダイエットが続かなくなる
糖質を減らしすぎると、
甘いものが無性に食べたくなる
イライラする
食事が楽しくない
ドカ食いしてしまう
という経験をする方も少なくありません。
私自身もBBJの減量中、じゃがいも中心の生活を続けた結果、「食べること」が苦痛になった時期がありました。
ダイエットで最も大切なのは、
続けられること。
どんなに理論的に正しい方法でも、続かなければ意味がありません。
「食べない努力」ではなく「使える身体」を作る
糖質を減らすことばかり考えるのではなく、
筋肉を維持し、
身体を動かし、
糖質をしっかり利用できる身体を作る。
これが、Medical Physio Labが考えるダイエットです。
第7章 糖質はどれくらい食べればいいの?
「では、糖質制限を続けていた人は、どのように糖質を増やしていけばいいのでしょうか。」
ここでは、公的な基準とスポーツ栄養学の考え方をもとに、一般的な目安をご紹介します。
厚生労働省の考え方
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、炭水化物(糖質・食物繊維を含む)から摂取するエネルギー量は、**総エネルギー摂取量の50〜65%**を目標としています。
これは極端な糖質制限ではなく、健康維持を前提としたバランスの良い食事を推奨していることを意味します。
一方で、運動量や競技レベルによって必要量は変わるため、自分の生活に合わせて調整することが重要です。
スポーツ栄養学では「体重」で考える
スポーツ栄養学では、糖質摂取量を体重1kgあたり何g摂るかで考えることが一般的です。
活動量 | 糖質摂取量の目安 |
活動量が少ない | 3〜4g/kg |
軽い運動(週2〜3回) | 4〜5g/kg |
筋トレ・スポーツ(週3〜5回) | 5〜7g/kg |
持久系競技・大会前 | 6〜10g/kg |
例えば、体重60kgの方で筋トレを週3〜5回行う場合は、1日300〜420g程度が一つの目安になります。
もちろん、これは競技者も含めた目安なので、ダイエット中はエネルギー収支や目標体重も考慮して調整する必要があります。
体重別・糖質量早見表
体重 | ダイエット中 | 体重維持 | 筋トレ・スポーツ |
50kg | 150〜200g | 200〜250g | 250〜350g |
60kg | 180〜240g | 240〜300g | 300〜420g |
70kg | 210〜280g | 280〜350g | 350〜490g |
80kg | 240〜320g | 320〜400g | 400〜560g |
※あくまで目安です。年齢、筋肉量、活動量、目標によって調整してください。
よく食べる食品の糖質量
「糖質250gと言われてもイメージが湧かない」
そんな方のために、身近な食品の糖質量をまとめました。
食品 | 1食あたりの目安 | 糖質量(約) |
白米 | 150g(茶碗1杯) | 約55g |
白米 | 100g | 約37g |
おにぎり | 1個 | 約35〜40g |
食パン(6枚切り) | 1枚 | 約27g |
バナナ | 1本 | 約22g |
じゃがいも | 中1個(150g) | 約25〜27g |
さつまいも | 100g | 約30g |
オートミール | 40g | 約25g |
うどん | 1玉 | 約50g |
パスタ(乾麺) | 100g | 約70g |
「数字」よりも大切なこと
ここまでさまざまな数字をご紹介しましたが、最も大切なのは数字に縛られすぎないことです。
糖質量はスタートラインを決めるための目安であり、正解ではありません。
体重や見た目、トレーニングの質、疲労感、空腹感などを確認しながら、自分に合った量へ調整していくことが、長く続けられるダイエットにつながります。
第8章 糖質はどのように増やせばいい?おすすめは「30gずつ」
ここまで読んでいただくと、
「糖質が必要なのは分かった。でも、今まで糖質を制限してきたから、急に増やすのは不安…。」
そう感じる方もいるかもしれません。
実際、長期間糖質制限を続けていた方が急に糖質を増やすと、体重が一時的に増えることがあります。
その体重増加を見て、
「やっぱり糖質は太るんだ。」
と勘違いし、再び糖質を減らしてしまうケースは少なくありません。
しかし、その体重増加の多くは脂肪ではなく、グリコーゲンと水分が戻ったことによる自然な変化です。
だからこそ、糖質を増やすときは「焦らず、少しずつ」が基本になります。
まずは30g増やしてみる
私がお客様へ食事指導をするときも、いきなり100g、200gと増やすことはほとんどありません。
まずは1日30g程度を目安に増やしていただきます。
30gというと、それほど多い量ではありません。
例えば、
食品 | 糖質量(約) |
白米 約80g | 約30g |
食パン6枚切り1枚 | 約27g |
小さめのおにぎり1個 | 約35g |
オートミール40g | 約25g |
バナナ1本+ヨーグルト | 約30g |
このくらいの量で十分です。
増やしたら3〜7日様子を見る
糖質を増やしたら、すぐに「成功」「失敗」と判断する必要はありません。
まずは3〜7日ほど続けてみましょう。
確認してほしいポイントは、
体重
見た目
トレーニングの重量
疲れにくさ
空腹感
日中の集中力
筋肉の張り
です。
もし問題がなければ、さらに30g増やしてみる。
このように少しずつ調整することで、自分に合った糖質量が見つかりやすくなります。
一時的な体重増加は慌てなくて大丈夫
糖質を増やした直後は、体重が0.5〜2kgほど増えることがあります。
しかし、その多くは
グリコーゲンが筋肉へ戻る
それに伴って水分が保持される
という身体の正常な反応です。
数日で脂肪が何kgも増えることは通常ありません。
体重計の数字だけではなく、
「身体がどう変わっているか」
を見ることが大切です。
リフィードとの違い
ここで「リフィード」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
リフィードとは、ダイエット中に一時的に糖質を多めに摂取し、エネルギー不足やホルモンの低下を補うために行われる栄養戦略です。
競技者や減量経験者の間ではよく使われます。
一方で、この記事でご紹介している30gずつ糖質を増やす方法は、リフィードとは目的が異なります。
30gずつ増やす方法 | リフィード |
日常の食事を見直す | 一時的に糖質を増やす |
適正な糖質量を探す | 減量停滞やコンディション改善が目的 |
一般のダイエット向け | 主に競技者・減量経験者向け |
継続することを前提 | 1〜2日程度行うことが多い |
そのため、多くの方はリフィードよりも、まずは普段の糖質量を適正な範囲まで戻すことを優先しましょう。
糖質を増やすときの注意点
糖質を増やすからといって、お菓子やジュースをたくさん飲めばいいわけではありません。
できるだけ、
ご飯
オートミール
じゃがいも
さつまいも
果物
全粒粉パン
など、栄養価も高い食品を中心に選ぶことをおすすめします。
また、糖質だけを極端に増やすのではなく、タンパク質や脂質とのバランスも大切です。
糖質は「たくさん食べる」ことが目的ではなく、「身体が必要としている量を満たす」ことが目的です。
第9章 私自身が減量で気付いた「糖質との付き合い方」
ここまで、糖質の役割について栄養学や生理学の視点からお話ししてきました。
最後に、私自身がBest Body Japan(BBJ)の大会に向けて減量した際の経験をお話ししたいと思います。
これは教科書には載っていない、私自身が身体で学んだことです。
「糖質を減らせばもっと絞れる」と思っていた
大会に向けた減量では、
「糖質を減らした方が早く絞れる。」
私自身もそう考えていました。
そこで主食には白米ではなく、じゃがいもを中心に選ぶようになりました。
じゃがいもは糖質量が比較的少なく、ビタミンCやカリウムなども含まれているため、減量中によく利用される食品です。
もちろん、食品として悪い選択ではありません。
しかし、私には一つ大きな問題がありました。
食事が楽しくなくなった
毎日じゃがいもを食べ続けているうちに、
正直、食事が楽しみではなくなってしまったのです。
パサパサした食感がどうしても苦手で、
「食べなければいけないから食べる。」
そんな状態になっていました。
すると自然と食べる量も減り、
体重は順調に落ちていきました。
当時は、
「いいペースで減量できている。」
そう思っていました。
でも鏡を見ると「しぼんでいた」
体重計の数字は減っていました。
しかし鏡を見ると、
筋肉の張りがなく、
身体全体が小さく見えました。
トレーニングでも力が出ず、
パンプアップもしにくい。
今振り返ると、
「脂肪が減った」
というより、
「エネルギー不足で筋肉が元気を失っていた」
状態だったのだと思います。
白米をしっかり食べるようにして変わったこと
そこで減量後半は考え方を変えました。
毎食150g程度の白米を食べるようにしたのです。
最初は少し不安もありました。
「糖質を増やしたら太るんじゃないか。」
そんな気持ちもありました。
しかし実際には、
トレーニングで力が出るようになった
筋肉の張りが戻った
食事が楽しみになった
減量も順調に進んだ
という変化を感じました。
結果的には、無理に糖質を減らしていた時よりも、納得のいくコンディションで大会を迎えることができました。
「正解の食材」はない
この経験から私が学んだことがあります。
それは、
「白米が正解」「じゃがいもが不正解」ということではないということです。
人によって、
好きな食べ物は違います。
生活スタイルも違います。
仕事の時間も違います。
同じダイエット方法が全員に合うとは限りません。
大切なのは、
「身体に良いと言われている食材を無理して食べること」ではなく、「自分が無理なく続けられる方法を見つけること」です。
ダイエットは「我慢大会」ではない
ダイエットは、
短期間だけ頑張るイベントではありません。
健康的な身体を維持するための習慣です。
だからこそ、
毎日の食事が苦痛になってしまえば、長く続けることは難しくなります。
私はこの経験を通して、
「続けられることが一番強い。」
ということを改めて実感しました。
糖質も同じです。
減らすことだけを目的にするのではなく、
自分の身体が元気に動き、毎日の食事を楽しめる量を見つけること。
それが、リバウンドしにくく、健康的なダイエットへの近道だと考えています。




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